天才の苦悩
知人に天才がいる。
その人は、「東大に行った」というような秀才ではない。
一部上場企業の会社をつくりあげたというレベルでもない。
スポーツのチャンピオンになったというレベルでもない。
もっと超越した天才なのだ。
彼は天才ゆえの孤独である。
天才はいろんなことを、簡単にやってみせてしまうために、楽に生きていると思われてしまうかもしれない。でも、実は天才には苦悩がある。常に、自分の本領発揮をできないのだ。
常に周囲に合わせる努力をし、常にブレーキをかけて生きている。
天才は一見、強者に見える。
でも、天才は圧倒的多数の普通の人たちに囲まれた「弱者の奇人」なのだ。
ときに天才は孤独でたまらない。
この世の中に自分の気持ちをわかってくれる人がいるのだろうか、と苦しむ。
自分がおかしいのだ、自分が間違っているのかと、と苦しむ。
天才こそが奇形であり、一般世界に馴染むことに、大変な障害を持っている。だからこそ天才には支援が必要なのだ。
天才もたったひとりでも理解者が現れると、生きていける。孤独だと辛い。
天才は世の中のブームを作り出すことは難しい。人は自分で理解できる範囲でしか流行に乗ることができないから。
天才は少数で、寄り添い、助け合って生きている。
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